MAD-X チュートリアル (3): マッチングと光学調整

  • chatGPTによるCERNスライドの自動翻訳・自動要約です.

  • MAD-X による光学関数の マッチング と、 ビームパラメータ(チューン, 色収差)の調整手法 について.


マッチングとは

マッチングは、加速器設計において、

光学関数を所望の値に調整する 操作です。

例:

  • チューン(Q1, Q2)を目標値に合わせる

  • 局所的な β関数の最小化

  • 分散をゼロにする(直線加速器など)


MATCH ブロックの構造

典型的な構文:

MATCH, SEQUENCE=cassps;

GLOBAL, SEQUENCE=cassps, Q1=26.58;
GLOBAL, SEQUENCE=cassps, Q2=26.62;

VARY, NAME=kqf, STEP=0.00001;
VARY, NAME=kqd, STEP=0.00001;

LMDIF, CALLS=10, TOLERANCE=1.0E-21;

ENDMATCH;

構文の意味:

  • MATCH: マッチング処理の開始を宣言

  • GLOBAL: チューン(Q値)など 全体の条件 を指定

  • VARY: 調整するパラメータ(例:四重極の K1 値)

  • LMDIF: 最適化手法(Levenberg-Marquardt)

  • TOLERANCE: 許容誤差(小さいほど精度高い)


変数定義の注意(:=)

kqfkqd は以下のように遅延評価で定義することが推奨されます:

kqf := 0.015;
kqd := -0.015;

四重極の定義において:

QF: QUADRUPOLE, L=1.0, K1:=kqf;
QD: QUADRUPOLE, L=1.0, K1:=kqd;

Tip

:= を使うことで、 VARY による値の更新が反映されます。


MATCH の応用

  • 複数の VARY 変数を指定可能

  • LOCALCONSTRAINT を使うと局所的な条件(特定位置の β値など)も指定可能

  • RANGE=left/right を指定すると、区間ごとのマッチングが可能です


マーカー(MARKER)の活用

位置の特定やマッチング対象区間の明示に便利:

LEFT: MARKER, AT=1000;
RIGHT: MARKER, AT=2000;

PLOT, RANGE=LEFT/RIGHT;

MATCH, RANGE=LEFT/RIGHT;

描画時や光学関数保存時に参照可能です。

例:

SAVEBETA, LABEL=tw_left, PLACE=LEFT;
...
MATCH, RANGE=LEFT/RIGHT, BETA0=tw_left;

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この章のまとめ

  • マッチング は MAD-X の強力な最適化機能であり、光学設計に必須

  • チューン色収差 などのグローバル量は GLOBAL を使って調整

  • VARY, CONSTRAINT, LMDIF の組み合わせで柔軟な最適化が可能